concept


敷地は渡良瀬川に面した住宅地に位置し、河川敷の
土手の緑が印象的である。一方振り返ると既存の住
宅地が広がりそれほど良い景観とは言えない。この
住宅はこのような敷地に夫婦2人と子供一人、犬1
匹のために計画された。            
1階に寝室等個室群及び浴室、2階にキッチン及び
リビングルームと極めてシンプルな構成となってい
る。                     
敷地の景観をストレートに生かすため2階南側は土
手に対し大きな開口部及びルーフテラスを設けた。
これ以外の開口部は通風用としクモリガラスにより
視線が制御される。1Fの開口部はルーバーを設け侵
入者対策及び隣地からの視線に配慮した。    

建物全体の意匠は、空中に浮かんだ2枚のコンクリ
ートスラブの間に内部の用途に応じ(視線制御を目
的としている)ガラス、壁材(アカマツ、ガルバリ
ウム鋼板)をサンドイッチにしたような構成とし、
主体構造には軽量形鋼を用い、軽快感を強調してい
る。                     

2階は大きなワンルームで、ルーフテラスを含め一
辺約4.5mの四角形を4つ並べることでT字型の平面
を構成している。中央の四角形をリビングスペース
とし、廻りの四角形にそれぞれダイニング、ルーフ
テラス、書斎という固有の機能を与えている。4つ
の場所は露出した構造体(柱や梁)で緩やかに仕切
られ、大空間に適度なスケール感とリズムを与えて
いる。                    

建物前面の外部床はコンクリート舗装とし、この仕
 上げは個室を除きそのまま内部の床まで展開される。
2Fにおいても外壁に用いたアカマツ材をそのままシ
ームレスに室内に展開した。内部外部の仕上げ材に
差異を設けないことにより、内部外部の境界を曖昧
にし、居住空間に広がりを持たせている。    
       




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